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INAX REPORT

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京町家を活かすまちづくり〈京都・西陣〉

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暮らしを楽しむことがまちづくり…

紋屋町・三上家路地

 “京町家は京都の文化、日本の文化”と位置づけ、伝統的な良さを活かしながら、町家を守ろうという動きがあります。京都人は古いものを大切にし、守っていこうとする意識が強いようです。職人のまち・西陣は、長い歴史の推移の中で変貌を余儀なくされてきましたが、西陣織を織り出した町家は、今なお健在です。今号では、西陣の京町家を活かした、地に足の着いたまちづくりを紹介します。

be京都
伝統文化祭西陣・千両ヶ辻

京町家の活性化に向けた活動

 京町家は現在、京都市中心部だけでも相当数残っていますが、建物の老朽化、耐震・防火対策、また維持・管理の負担など多くの課題を抱えています。そのため簡単に取り壊され、町並みも急速に消滅しつつあるという危機的な状況です。京都市景観・まちづくりセンターでは、このような状況を踏まえ、「京町家まちづくりファンド」を設立するなど、さまざまな取り組みを通して、保全・再生のシステムを考え、更に京町家に関する多くの団体が連携できるよう、ネットワークづくりをしています。
 例えば「町家倶楽部ネットワーク」では、京町家を貸したい人と、借りたい人の“お見合い”業がメインの活動ですが、改築・改修など、暮らしに関する相談なども受けています。町家の保存、活用、活性化のために活動しているわけではありませんが、経済の活性化など、地元への貢献は大きなものとなっています。
 千両ヶ辻には昔から西陣織の関係者が集まり暮らしていましたが、ライバル関係であったため、ほとんど話をすることもありませんでした。しかし、電線地中化の話をきっかけに話をしてみると、お互い地域を大事に思っていることが分かり、「伝統文化祭」を開催するようになりました。住民同士の会話が増え、お祭りで外部へアピールすることによって、千両ヶ辻は町として元気を取り戻しています。
 これら一つひとつの取り組みが、地に足の着いたまちづくりをサポートしています。

綾綺殿
トオリニワ

西陣の町家

 代表的な京町家は一般的に「表屋造」と呼ばれる通り前面の“みせ”(商業・応接空間)と、“おく”(居住空間)で構成されるスタイルです。これに対し西陣地域に多い「織家建」は、織機の音が迷惑にならないよう“みせ”(工場空間)を通りから奥に、“おく”を前面に配しています。この工場空間は天井が高く、柱がないため、創作活動をする若者を中心に人気を集めています。その他、レストランなど、店舗への転用も多く見られます。
 また「京の町家学生設計コンペティション」では“新しい京町家の提案”をテーマに、これまで4回開催されました。第1回は西陣が対象地域で、3軒の“新しい町家”がコンペによって建てられ、居住者は現在では地域に馴染んで暮らしています。

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