TOP
バックナンバー(NO167〜178)バックナンバー(NO179〜)

INAX REPORT

No.177 特集1 特集2 特集3 連載1 連載2
特集2

『民家は生きてきた』伊藤ていじ

この特集のPDFをダウンロード

民家に文化形成の基盤をみる

伊藤ていじ氏×内藤廣氏
民家は生きてきた

 「時代をつくった本」をテーマに、建築家・内藤廣氏が著者をゲストに迎え対談するシリーズ、今回は『民家は生きてきた』です。これを書くに至った経緯、メッセージしたかったことは何だったのか…など、著者・伊藤ていじ氏との2時間の対談です。
 大ベストセラーになった『民家は生きてきた』は、二川幸夫氏と全国を駆け巡って制作した『日本の民家』全10巻の本文だけをまとめて出版したハンディタイプの本です。当時、多くの人に“民家は建築ではない”と言われていた中で、伊藤氏はそれを独自の視点で紹介し、都市史・建築史に新たな局面を切り開いたと言われました。
 建築史家・伊藤ていじ氏に内藤氏が迫ります。

『民家は生きてきた』は1963年、美術出版社から発刊されました。現在は絶版です。

『日本の民家』全巻セットケース
現代建築愚作論

対談

伊藤  もう終わり頃はね、勘です。ここの駅を降りる。そしてバスに乗って終点まで行って戻ってくる。突き当たりの終点に行くまでにね、左右を見て「あの家が良さそうだ」と目を付ける。そうして帰りのバスに乗るわけよ。で、そこへ寄るんです。
内藤  いつも二川さんは一緒ですか。
伊藤  一緒じゃない。二川さんと一緒の時は滅多になかった。
内藤  そうなんですか。僕は一緒に回られたんだと思ってました。
伊藤  そうじゃない。
内藤  先生が行かれて“ここだぞ、ここ掘れワンワン”みたいなもんですか(笑)。
伊藤  二川さんは二川さんで撮りたい写真を撮ってくるわけ。僕は僕で行きたい所に行っているわけです。
内藤  じゃあ先生の行かれた所を二川さんが撮っているというわけでもないんですか。
伊藤  そういうこともあったけど、原則的には適当にやっていた。それがね、不思議と合うんですよ。
内藤  それは二川さんもさる者、なかなかですね。
伊藤  そうよ。二川さんは、なかなかの人だもん。
内藤  もともと二川さんと先生の出会いというのは、東京に戻ってきてからですか?
伊藤  あのね、別に2人は知り合いでも何でもなかったの。僕が工学部の1号館の3階にいたら、ある日突然「伊藤さん」と言って、二川さんが訪ねて来たの。で、「一緒に民家の仕事をしよう」と言われたんです。それで決まったんです。
内藤  いきなりですか。
伊藤  いきなり。「そりゃいいね」ということになって。


序論・コラム

 序論 建築史家/倉方俊輔氏
 コラム1 建築家・神奈川大学 教授/曽我部昌史氏
 コラム2 東京大学大学院 准教授(社会基盤学専攻)/中井 祐氏
 
 左写真上から:『日本の民家』全巻ケース、『現代建築愚作論―現代における都市と建築に関する考察』八田利也著(彰国社 1961)

この特集のPDFをダウンロード

ページトップ