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INAX REPORT

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続・生き続ける建築
特集1

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ

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オーディナリー、そして「永続的満足」という賜

駒井家住宅[駒井卓・静江記念館]
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ

 ウィリアム・メレル・ヴォーリズは明治13年(1880)、米国カンザス州レヴンワースに生まれました。幼少期は敬虔なクリスチャンの家庭のもと、広大な自然に囲まれながら健やかに成長します。明治33年(1900)にコロラド大学に入学し、在学中にYMCA活動を通してキリスト教の海外宣教活動を志すなど、信仰心の深い青年でした。
  卒業の翌年(1905)には英語教師として来日し、2年の教員生活を送ります。その後、知人の紹介で京都YMCA会館の建築工事監督に就任したのをきっかけに建築の道に進み、吉田悦蔵らとともに明治43年(1910)、ヴォーリズ合名会社を設立、建築家へと転身を遂げます。
  戦前期の約30年で1,000棟を超える建築作品を残したヴォーリズは、昭和39年(1964)83歳でこの世を去ります。
  本誌では「軽井沢ユニオンチャーチ」、「駒井家住宅[駒井卓・静江記念館]」、「横浜共立学園本館」を紹介しています。

写真上:

「駒井家住宅[駒井卓・静江記念館]」(1927)

 京都大学理学部教授・駒井卓博士の住宅です。ここではスパニッシュ・スタイルのデザインを基本にし、そこに和室を導入して、日本人の生活スタイルに即した近代住宅を試みています。
  写真は食堂、居間、そして奥はサンルームになっています。また、左側には東の庭に面する腰掛付きの出窓を設け、光あふれる明るい空間が広がっています。

軽井沢ユニオンチャーチ

「軽井沢ユニオンチャーチ」(1918)

 この教会は築91年の、軽井沢でも数少ない歴史ある建物です。
 構造は極めてシンプルな木造で、木の質感を活かした重厚な空間が広がっています。9つの窓がシンメトリーに設けられた美しいデザインに、ヴォーリズ独特の感性がうかがえます。

横浜共立学園本館

「横浜共立学園本館」(1931)

 ヴォーリズは日本のミッション・スクールの建築を数多く手がけました。そのひとつがこの横浜共立学園本館です。木造2階、一部3階建てのこの建物は、赤瓦の寄棟屋根と重厚な木造意匠を備え、スパニッシュやハーフティンバースタイル、さらに和風など、さまざまな様式が混在するヴォーリズならではのユニークなデザインです。

ドキュメント・ファイル|略歴|主な作品
 ドローイングの他、略歴や作品年譜を掲載しています。

本論 大阪芸術大学建築学科教授・同大学大学院芸術研究科教授|山形政昭

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