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対談
伊丹 最近、僕はフランク・ロイド・ライトの作品を見て実感したんです。今までにももちろんライトの作品は見ているんですが、たまたまサンフランシスコのシビックセンター(マリン郡庁舎)を見る機会があったんです。小さな丘2つに抱き込まれるように建っている建物を見て、僕はフランク・ロイド・ライトが分かったような気がした。例えば、僕はどんなにお腹が空いていても、ラーメンを食うよりは、帝国ホテルでコーヒーを飲むことが僕の生き様だった。ライトの作品に出合わなかったら、僕は建築を辞めていたんじゃないかと思う。
古谷 そうなんですか? やっぱり機能性よりは精神的?
伊丹 シビックセンターにじかに触れて、「建築は、大地から生まれるものである」という言葉に出合った感じがしました。それは温故知新じゃないですけど、オリジナルとはどういうものか、インターナショナルとはどういうものか。漠然と自分なりに考えていることは、その地域の固有なコンテクスト抜きに、そこのエッセンスのみを出して、それを形態にする…、それだけではオリジナリティになり得ない。つまり、「インターナショナル的な真のオリジナリティは何か」を20年間考えに考え続けてきて、やっと気がついたのは、やはり大事なことは、その地域の固有な文化から立ち現れる思想以外にはあまり意味をなさないし、固有な独特なるものから、いかに近代を凌駕して現代にリアリティとして持ち込めるかなんですね。最近の僕はますます日本の建築家、スターといわれている建築家たちと、距離を感じている。たぶん、違和感だと思いますが…。
本論 建築史家|倉方俊輔氏
コラム 建築家|松原秀範氏
コラム 建築家|三橋まり氏
左写真上から:「ゲストハウス PODO HOTEL」(写真:伊丹潤・アーキテクツ)、「墨の家II」
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