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INAX REPORT

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続々モダニズムの軌跡
特集2

柳澤孝彦×古谷誠章

柳澤孝彦氏(右)×古谷誠章氏

“現場の哲学”を重視すべきだ。

 1996年に始まった特集「モダニズムの軌跡」の続編シリーズです。建築家・古谷誠章氏を聞き手に、今なお時代を導く人として建築界で活躍する建築家にスポットを当てた、ロングインタビューです。
今回のゲストは柳澤孝彦氏です。竹中工務店時代に初代プリンシパル・アーキテクトとして活躍し、「第二国立劇場(仮称)コンペ」最優秀賞受賞を機に独立。1986年にTAK建築・都市計画研究所を設立します。一時は、さまざまなコンペを総なめにするとさえ言われた柳澤氏の1980年代から2000年に至るまでの作品の足跡を辿りながら話を伺いました。


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新国立劇場
東京都現代美術館
真鶴町立中川一政美術館

対談

柳澤|敷地を見てパッとイメージスケッチをされる方がいらっしゃいますが、私はできない。まず敷地にリクワイアメントの機能みたいなものを描いて、それが徐々に頭の中で立ち上がって、建築、あるいは領域になる。私の場合は、そういう始まりの平面的なスケッチは、その建物の足の裏ではないかと思っているんです。そこをちゃんと詰めることによって、イメージも頭の先までしっかりと立ち上がってくる。ですからいつも、まず始めるのは平面スケッチですね。それはもちろんランドスケープも含めてですが、下から上へ、イメージが立ち上がっていく感じでしか、私はアプローチできないんです。
古谷|やっぱり敷地を歩いて探し出すわけですね。
柳澤|はい、歩いて。先ほども言いましたが、“現場の哲学”そのものなんです。間接的な情報では絶対に迫れないものが現場にはあると思うんです。やっぱり自分の足、自分の目で見て体で感じる。建築自身もそうではないかなと思います。もう一つ、建築というのは、あまり洗練されすぎると、そこに居合わせる人たちにはちょっと硬かったり、威圧感があったりするんじゃないかと思うんですよ。どこかで普段使いというか、あるいは破れているような荒々しいところがある方が良いと思っているんですね。そういうところから、私は石垣が好きなんです。
古谷|なるほど。それは何か整然と構想される建築と、相互補完的なものでしょうね。
柳澤|そうです。石垣は図面に描けないんですよ。それは職人さんがつくってくれるわけですが、ここで終わろうと思えば終われますし、「もう3段くらい積んでください」と言うこともできる。それは“現場の哲学”が判断してくれるわけですよ。やっぱり建築は、本来ローテクなものだと思う所以です。

本論 東京理科大学理工学部建築学科教授|川向正人氏
 コラム 竹中工務店設計部設計課長|永井久夫氏

左写真上から:「新国立劇場」(写真:吉田誠)、「東京都現代美術館」、「真鶴町立中川一政美術館」

   

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