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INAX REPORT

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続々モダニズムの軌跡
特集2

谷口吉生×古谷誠章

 
谷口吉生×古谷誠章

背景との関連から建築を考える。

 1996年に始まった特集「モダニズムの軌跡」の続編シリーズです。建築家・古谷誠章氏を聞き手に、今なお、“時代を導く人”として建築界で活躍する建築家にスポットを当てた、ロングインタビューです。
 今回のゲストは谷口吉生氏です。ハーバード大学卒業後、丹下健三に師事し、7年の修業を経て独立。1979年には谷口建築研究所所長に就任します。「資生堂アートハウス」で鮮烈デビューを果たし、そこから数々の名作を世に送り出してきました。建築と周りの風景を関連づけながら設計活動に取り組んできた谷口氏の1980年代から2000年に至るまでの作品の足跡を辿りながら、話を伺いました。

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東京都葛西臨海水族園
広島市中工場
豊田市美術館

対談

古谷|アートハウスはまさに対比的な形ですけど、土門拳記念館になると、対比するものが少し変化したように思うんです。それは意識してお考えになったことでしょうか。
谷口|形は異なりますが、内向きと外向きの対比する空間のシークエンスによって構成されている点は同じです。視覚の変化を、映画のシーンを構成するように、動線に沿って展開していく方法は、やはり都市との関連から建築を習ったことに元があるような気がします。私が建築を学び始めた1960年代は、特にアメリカは、都市というものへの憧れが頂点を迎えた時代でした。日本では、ちょうど丹下先生が「東京計画(1960)」を発表された頃です。あらゆるものが車を中心に考えられていて、車は都市生活の最高の道具でした。そのような時代に、建築を常に都市のエレメントとして捉える考え方で建築を習いました。その後、公害問題が現れると、都市は次第に悪者の側になっていきますが、私の中には都市や車がスターだった頃の残像があるせいか、当時の考え方が身についているようです。子ども時代にスポーツを始めると、それが自然に身についてしまうような、そんな感じです。
古谷|作法みたいなものですね。
谷口|そうです。空間を動線に沿って展開するシークエンスとして捉える方法は、作法のようなものと言えます。都市時代のアメリカで体験したことと、日本に帰ってから丹下先生のもとで、東大の都市工学科で学んだ都市と建築の関連など、私のデザインの傾向に影響していると思いますね。建築の形態よりも、空間をつなげて、目指す環境や雰囲気を全体としてつくっていく…、そこに興味があるんです。

本論 建築評論家|三宅理一氏
コラム 横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA教授|飯田善彦氏

左写真上から:「東京都葛西臨海水族園」、「広島市中工場」、「豊田市美術館」(写真3点とも:北嶋俊治)

   

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