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INAX REPORT

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続々モダニズムの軌跡
特集2

山本理顕×古谷誠章

 
山本理顕×古谷誠章

プログラムが建築をつくるのではない。

 1996年に始まった特集「モダニズムの軌跡」の続編シリーズです。建築家・古谷誠章氏を聞き手に、今なお、“時代を導く人”として建築界で活躍する建築家にスポットを当てたロングインタビューです。
今回のゲストは山本理顕氏です。日本大学建築学科を卒業し、東京藝術大学大学院に進学。住宅と人格の関係をひょうたん型のプランで表した修士論文・“閾論”は、氏の原点となり、その後の設計活動の指針になったといいます。大学院卒業後は研究生として東大原研究室で学び、“ルーフ”という概念を確立します。1973年には山本理顕設計工場を設立し、多くの作品を世に送り出してきました。常に建築とプログラムの関係について考え、果敢に挑戦してきた山本氏の1980年代から2000年に至るまでの作品の足跡を辿りながら、話を伺いました。

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GAZEBO
公立はこだて未来大学

対談

山本|原さんが『建築に何が可能か』という本を書いて、その前半のところにサルトルを引用して、「建築とは何か」ではなくて、「何が可能か」という問いかけをしたんですね。学生時代に読んで、すごく面白いと思ったんですよ。つまり、建築をつくる人と使う人とは、どういう関係があるのか。まだモラトリアム人間だったから、原さんのところがいいと思った。それで「研究生で入れてくれ」って会いに行ったんです。ちょうど大学院の修士論文で「閾論」という、ひょうたん型のプランをつくったんですね。
古谷|そのひょうたん型のプランというのを、簡単に説 明していただけますか?
山本|ひょうたん型の図式をつくって、そこに入る人格とプランは関係していると思ったんですね。人格というのは表象というか、シンボルですね。父親という表象、母親という表象があって、その表象の器が住宅なわけですよね。つまり、花子さんと太郎さんがそこに住んでいるんじゃなくて、夫と妻という関係だったり、父親と母親、子どもという関係があって、その関係が父親や母親を表象している。その建築空間にいる限り、その人は母親であり、父親でもあるわけですよね。実はその表象を住宅がつくっていることに気がつかずに、単に機能で住宅が出来ていると、僕らはずっと考え違いをしていたわけです。近代建築は“機能”を優先してきたんだけれども、実は、建築の最も重要な役割は表象することだ。ある人間を父親や母親という役割にさせちゃう、そういう器だということに気がついたんです、大学院の頃かな。でも当時は、そこまでは説明できなかった。
古谷 |すると当時は、まず直感的にひょうたん型の絵を描いて、それからより深く考え始めるようになったわけですね。
山本 |人格と住宅が関係していることは言えたんだけど、表象という言葉は、まだ思いつかなかったし、そういう言葉が一般的になったのは、かなり後ですね。

本論 作家・評論家|松山 巖氏
コラム 建築家|蜂屋景二氏

左写真上から:「GAZEBO」、「公立はこだて未来大学」

   

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