東洋美と西洋美を兼ね備えたクラシックホテル
連載8回目に登場するのは、長崎県・雲仙にある「雲仙観光ホテル」です。
「雲仙観光ホテル」は昭和10年10月10日、風光明媚な温泉地・雲仙にオープンしました。折しも雲仙が国立公園第一号の指定を受けた翌年にあたります。スイスの山小屋風の外観を持つ建物は、竹中工務店の設計・施工によるホテル建築の第一号で、担当は早良俊夫。当時、大阪本店で藤井厚二らと設計部の草創期を牽引した俊才です。創業時は東洋美と西洋美を兼ね備えた豪華絢爛なホテルとして、上海航路で避暑に来る欧米人を魅了したと伝えられています。
平成16年から行われた5期にわたる大改修では“新しくノスタルジア”をテーマに、創業当時のノスタルジックな雰囲気は残しながら、時代のニーズを取り入れた空間を追求しています。石畳みのアプローチ、ウィリアム・モリス調の客室、復元された図書室、撞球室などは、新たに施されたノスタルジアを彷彿とさせるデザインです。さらに、設備系統、水まわりなどは現代風に手を入れ、そこには「“古き良きもの”を大切にするだけではなく、時代の新しさを加味するのがホスピタリティ」という、「雲仙観光ホテル」の心意気が、かくされています。
今号は、「雲仙観光ホテル」のホスピタリティを同ホテルの本田達也氏に、そして、スタヂオ106の中嶋亨氏には、オリジナルのデザインを大切にしながら改修に携わった経緯について披露していただきました。
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