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INAX REPORT

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続々モダニズムの軌跡
特集2

安藤忠雄×古谷誠章

建築に沿って環境づくりもしていくべきだ。

 1996年に始まった特集「モダニズムの軌跡」の続編シリーズです。建築家・古谷誠章氏を聞き手に、今なお“時代を導く人”として建築界で活躍する建築家にスポットを当てたロングインタビューです。
 今回のゲストは安藤忠雄氏です。独学で建築を学び、1969年に安藤忠雄建築研究所を設立。1976年に発表したコンクリート打放しの「住吉の長屋」で日本建築学会賞を受賞し、脚光を浴びます。以後、コンクリート打放しの建築は安藤氏の代名詞となり、住宅から公共建築まで、国内外問わず、精力的に多くの作品を世に送り出してきました。一方、自然を回復させ、感性豊かな子どもたちを育てる場をつくりたい…と、植樹などの環境づくりにも積極的に取り組むなど、社会貢献活動にも尽力しています。1980年代から2000年に至るまでの作品の足跡を辿りながら、話を伺いました。

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光の教会
淡路夢舞台

対談

古谷|広島のピースセンターはいかがでしたか?
安藤|一番最初はやっぱり平和記念資料館。大学に行っていれば卒業かと思う年に、自分なりの卒業旅行として日本一周の旅に出たんですよ。主な目的は“丹下健三の建築を巡ること”として、大阪から香川県庁舎へ行って、四国の外泊とか、あの辺りの民家を回って、九州へ行って広島に行く。そして平和記念資料館を見た時は、声が出なかった。あれは1952年に出来たものだと思いますけど、すごいものがあると思いました。なぜならば、軸線の向こうに鉄の塊の原爆ドームがあるわけです。あの美しい水平とピロティ越しに見た原爆ドームは、私にとってはやっぱり忘れられない。当時、丹下さんは、片方では香川県庁舎もやっていました。あの水平と垂直のラインとピロティ、もう一方では、軸線上の原爆ドームでしょう。建築とはこういう構想力がいるんだと思いました。あの構想力はすごいじゃないですか。世界であれほどのものはないのではないかと思いましたね。だけど、残念ながら私は専門学校にも大学にも行っていないから、話し相手がいないわけです。「これ、どう思う?」と話す相手がいない。これは大変つらいところですね。独学がいいなぁと思う人がいるかも分からんけど、話し相手がいないのは最悪ですね。話し相手がいないから自分で考える。結局は本しかない。本と格闘することになるわけです。
古谷|そう言えば、大阪の道頓堀にある古本屋での有名な話…、ありましたね。もともと、おばあさまからも「お金は自分を鍛えるためにこそ使いなさい」と言われていたとか…。
安藤|ル・コルビュジエの作品集を発見したんです。「これだ!」と思って、すぐ買いたかったけど、高い。で、下の方に入れて隠すんです。おじさんは売りたいから一番上に出す。また下へ隠す…を繰り返していて、1ヵ月後くらいにやっと買ったんです。それをひたすらスケッチしている感動と、丹下さんの水平と垂直の感動と、いろいろなものが重なってきて、やっぱり建築は面白いと思いました。

本論 建築評論家|松葉一清氏

左写真上から:「光の教会」、「淡路夢舞台」(写真2点とも:松岡満男氏)

   

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