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INAX REPORT

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総集編 大川三雄

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活字が伝える時代の証言

大川三雄氏×内藤廣氏
 

 「時代をつくった本」をテーマに、建築家・内藤廣氏が著者をゲストに迎え対談するシリーズです。2006年7月にスタートした「著書の解題」シリーズも今号が最終回です。最終回は建築史家・大川三雄氏をゲストに迎え、「総集編」として第1回目の『空間へ』から第11回目の『民家は生きてきた』まで一冊ずつ丹念に振り返っています。その書籍を取り上げた理由、生まれるに至った時代背景をエピソードをふまえながら、俯瞰的な視点で同世代のお2人は冷静に分析し語り合っています。
 そして、このシリーズの中で取り上げた書籍は、両氏にとって影響を受けたものが多く、今の若い世代の諸君も面白い本と出合い、そこからエネルギーをもらい、熱く語れる若者が増えることを期待しているとエールを送っています。

 

対談 活字が伝える時代の証言

内藤  いわゆる言論とか本が、建築界に向けて投げられるわけですが、それによって状況は変わると考えますか。つまり、言語や論理は有効か、ということについてです。歴史研究者の立場で俯瞰的に見てどうですか。
大川  状況は変わると思いますね。活字人間の私としては書かれたものの持つ力には大いに期待しています。日本におけるモダニズム建築の成立過程を調べていますが、戦前からの建築ジャーナリズムに注目してみると、メディアの影響の大きさが分かります。特にモダニズム建築は、建築そのものが持っている空間的、物質的魅力というよりも、理想や理念が語られることで理解されてきたとも言えます。
内藤  例えば建築家という職業が、あるいは戦後つくられた建築ジャーナリズムも含めて、割と言語人間なのかなという気がするんですが。
大川  そもそも建築の大きな歴史の流れでいえば、やっぱり近代建築というのはメディアとは切って離せないですよね。それ以前の建築と異なりメディアに載ることによって近代建築は広がってきたわけですから、ましてや現代っていうのは大半の人が、むしろ書かれたもので理解している。
内藤  大川さんとしては、書かれたもので理解するということについては、どう思われますか?
大川  建築と書かれたものとの間にズレが生じるのは当然ですが、その両方があって成立しているという気がします。さっきも話しましたように、特に近代建築にとって言説とのかかわりは宿命的だと思います。

   

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